ヤクザと執事と私 【1の残り】
「小夜・・・真木さん何だって?」
門の影からサブが出てきた。
「・・・本人に聞いてくださいよ。」
「聞けるわけ無いだろ。・・・普通に幹部と話せる小夜の方がおかしいんだぞ。」
「そうだ。そうだ。普通はもっと組長は尊重されるべきなんだ!」
私とサブは、急に会話に入ってきた声の先を見ると、組長が暇そうに立っていた。
「・・・どうしたんですか?」
私は、組長に話しかける。
「見てわかるだろ。今から家出をしようかと思って。」
「へぇ~・・・わかりませんでした。あまり遅くならないように帰って来てくださいね。」
私は、笑顔で組長を送り出す。
「・・・なんで家の執事はこんなに冷たい奴ばかりなんだ。」
組長は、いっこうに出て行く様子もみせずに、私の回りをウロチョロとしている。