ヤクザと執事と私 【1の残り】


「小夜・・・真木さん何だって?」


門の影からサブが出てきた。


「・・・本人に聞いてくださいよ。」


「聞けるわけ無いだろ。・・・普通に幹部と話せる小夜の方がおかしいんだぞ。」


「そうだ。そうだ。普通はもっと組長は尊重されるべきなんだ!」


私とサブは、急に会話に入ってきた声の先を見ると、組長が暇そうに立っていた。


「・・・どうしたんですか?」


私は、組長に話しかける。


「見てわかるだろ。今から家出をしようかと思って。」


「へぇ~・・・わかりませんでした。あまり遅くならないように帰って来てくださいね。」


私は、笑顔で組長を送り出す。


「・・・なんで家の執事はこんなに冷たい奴ばかりなんだ。」


組長は、いっこうに出て行く様子もみせずに、私の回りをウロチョロとしている。

< 54 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop