純情BABY
「お邪魔しまーす」




『共働きで親はふたりともまだ帰ってきてないから、邪魔は入らないからね』




「いいな〜。うちはお母さんがいつでもいて小言がうるさいんだよね」




そんな話をしながら渋谷くんの後ろを付いてひとつの部屋に入った。





「部屋、きれいにしてるんだね」




渋谷くんの部屋は黒のカーペットに白い机、ベッド、あとは大きな本棚が置いてあるだけのシンプルな部屋だった。




机の上には分厚い参考書が1冊置かれてるだけで、私の机の上みたくごちゃごちゃとしていない。




本棚にマンガの本は1冊もなくて、あるのは参考書やハードカバーの小説や文庫本。




出窓には小さなコンポが置かれててCDが綺麗に並べられていた。




一緒に勉強するならテーブルとか出してくれるのかな?




それとも机に椅子を並べて座るのかも。




どっちにしても距離が近い。




親密度一気にアップの予感だね。




浮かれてにやけていたら、渋谷くんに手首を握られて引っ張られた。





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