キミは聞こえる
「じゃあ明日からよろしくお願いします」
「うん。―――ああ代谷」

 まだなにかあるのか。
 門をくぐろうとしたところで呼び止められ、しかたなく振り返る。

「なに?」
「あ、あのいや、そ、その……」
「?」

 首を傾げると、桐野は頭を掻いて「なんでもねぇ」と言った。「そう。じゃあまた明日」
 わざわざ呼び止めてなんだそれは、と思いながらもなにか言わねばなるまいととりあえずそれだけ挨拶する。
 息を吐きながら踵を返した―――するとそこで。

「まっ、また一緒にゲームしような」

 桐野の声が背中にぶつかった。

「弟君に借りて、充分に練習してきてね」
「言うじゃねえか。そっちこそ油断するなよ」
「望むところ」

 去っていく桐野の背を見つめながら 、今夜友香ちゃんに特訓してもらおう、と泉は思った。
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