空を見上げる


「ちょっ…運命なんて
大げさじゃないですか!?」


「そうですか?俺はそんなことないと思うけど…」


いやいや…
大袈裟だからーっ//!!


『ぐぅー』


「…」


私のお腹が鳴った。最悪。


タイミング悪すぎでしょ…


「お腹…空いてるんですか?
どこかに食べに
行きましょうか??
お近づきのしるしと
間違えてしまったお詫びに
俺が奢りますから!」


「いや…
やめときます!」


『ぐぅー』


だめ押しのもう一発…まぢで最悪。


「行きましょう?」


「…すみません。
でも、
幼なじみの美奈ちゃんを
探してたんじゃ
なかったんですか?」


「え?あはは!
探してたわけじゃ
ないですよ!
幼なじみのほうの美奈は
この近くには
住んでませんから!」


「…は?」


どういう意味????


「まぁ気にしないでください!
美奈だってもう、
子供じゃないですしね(笑)
さて、それより早く
行きましょうよ!」


そう言うと空くんは
私の手を急に握って
その力強い手で私を
どんどん引っ張って
どんどん前に進んでいく。


時々振り返って
私に走るペースを
合わせてくれて…


空くんの広くて力強い
背中を見ていると
すっごく落ち着いた。


嬉しかった。
初めてだった。
なんか…こう…


すっごくもどかしくて
胸のあたりが
くすぐったい感じ。


ずっとこのままでいたい
なんて思った。


でも…


周りにめっちゃ
見られてるんですけどーっ///



恥ずかしいってばーっ///


でもどうしてだろうね、
恥ずかしいなんて
なぜだか言えなかった。


なんでだろう?
不思議と逢ったばかり
の空くんと
手を繋いでいるのは
苦ではなかった。


ううん。


むしろ嬉しかった。


空くんに引っ張られ、
半ば無理やり近くの蕎麦屋に
私たちは入った。


*・・
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