宮地岳線
今朝になって友達から急に花火大会に誘われ、いざ約束の時間に待ち合わせ場所へ行ってみたら、なんと他校の男子もいて、見れば男が三人なのに対してこちらは二人、どうやら自分はグループ交際の頭数を揃えるために呼び出されたらしいことを悟り、不快な気分になったそうだ。
「それに…」
男グループのリーダー格みたいなのが、
「やたらテンションが高くて…」
耳に付く声で一人のべつまくなしに喋りまくっているのが
「とてもうるさくて」
聞かされているうちに
「頭が痛くなりそうで…」
岡島のことだな、と健太は直感した。
アイツ、学校の外でもあのままの調子らしい。
「そしたら貝塚駅で…」
健太らしき人を見かけて、
「あ、って思いました。これってもしかして、ご縁なのかなって」
だからまた逢えたのかもしれないと思ったら…、
「居ても立ってもいられなくなって…」
みんなには、
「『なんか急に頭痛が…』って言って」
抜け出て来たそうだ。
「頭痛、か…」
健太は思わず吹き出した。「皮肉っぽくて面白いね」
「わたし、ああいうタイプはダメなんです。それに、グループ交際とか、そういう遊びも好きじゃないし…」
「俺もだよ」
健太はここぞとばかりに言った。
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