聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
「おまえがそう望むのならば……」
天使様は一度目を伏せた後、凛と輝く瞳をオレに向けた。
ドキッ。
待て待て待て待て!!
落ちつけ落ちつけ落ちつけ真理矢!!
今のはなんだ!!
今の『ドキッ』ってなんだ!!
違う違う違う違う!!
これはloveじゃないってば!!
天使様があんまりキレイで。
天使様があんまり神々しくて。
だから今の『ドキ』ってば取り消し―!!
ドキドキドキドキ。
抑えつけようともがくオレの前に、天使様の手がスッと伸びてくる。
「私は全力でおまえの支えになろう……」
そう言ってオレは天使様の胸の中に。
まるで柔らかな羽毛に包まれるように。
本当に優しく、優しく抱きしめられて――