聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
「いやなら、こっちの部屋へ来ればいい」
って。
もしかして、それ狙ったってことないっすよね?
「とにかく行くぞ」
天使様に睨まれつつ、オレは階段を上がる。
瘴気が足に絡まってくる。
ぞわぞわっと背中に寒気が走っていく。
一段、また一段と登るたびに瘴気の濃度は高くなっていく。
二階の状態はもう、下とは全く違っていて。
本当に前が見えないほどに暗い。
天使様の輝く髪についていかなければ、どこがどうなっているのかも分からない。
天使様は一つの扉の前に立つ。
表札に『天林寺 真理矢様』という文字が見える。
ここを今から開けなくちゃならないのねー。
どうか、オレのベッドとかに座ってないでくれよ。
じゃないと、今日からオレ、そこで寝られない。