聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
「いいか?」
天使様がオレの顔をのぞく。
どうも、オレが死に掛けた一件以来、天使様は悪魔との戦いに必要以上に気を使うようになった。
いや、ご心配ありがとうございます。
でも、心配するくらいなら、どうぞオレを戦いの外に置いて行ってくださいよ。
と叫びたい気持ちをぐっと抑えて小さく頷く。
いやだー。
ほんとはまぢでいやだー。
逃げたいし。
でも逃げらんないし。
逃げたら他の人にって思ったら。
男、真理矢は逃げられないんだってば!!
天使様がドアのノブに手を掛け、そのままゆっくりと回す。
ガチャリ……と小さな音を立てて扉が開く。
「あ!?」
「なんだ?」
ミカエル様が手を止めてこちらを振り返る。