聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
やべー。
今の「あ!?」の理由って『鍵閉め忘れてたんだ、オレ』ってだけなんだよな。
つーか、そんなことで止めたなんて言ってみろよ。
ぶっ殺されます、確実に。
「すでに聞こえている」
恐ろしいほど眉と目じりがつりあがった天使様がオレを睨む。
垂れ流しのバカヤロー!!
「この後、おまえ覚悟しておけよ」
凄まれて、オレ、肩をすぼめる。
悪魔と対面する前からテンション下げんでください。
気を取り直し、天使様はゆっくりと部屋を開けた。
ドス黒い瘴気が隙間を縫うように、ひんやりとした温度を伴って流れてくる。
ゴクリ。
唾を飲み込んで、天使様の背中からのぞきこむように部屋を見る。
『ギヤァァァァハッハッハ』
高笑いが部屋に響き渡った