蒼い太陽
フィリシアの意識はそこで途切れた。


がくりと膝を折り倒れるフィリシアを、アヤトが抱き留める。

「フィリシア!?どうした、おい!」


アヤトが呼びかけるも、ピクリとも反応がない。


「フィリシア、一体どうし…キャア!!」


ダリアが言葉を発した直後、突如風が勢いを増し、四人を打ちつけた。


吹き荒れる風を前に、もう進む事が出来ない程だった。


そんな中、刃のような風が襲い、四人はバラバラに吹き飛ばされてしまった。


アヤトの腕の中から、フィリシアが離れる。


「フィリシア!」


掴もうと腕を伸ばしたが、風がアヤトの腕を引き裂いた。


「っつ!!」


アヤトの腕から鮮血が滴る。


フィリシアはそのまま、深い深い闇の彼方へと消えていった。

アヤトはフィリシアの名を叫ぶが、風にかき消され届かない。

そして、刃のような風はユウとダリアも引き裂いた。


「キャア!ユウ!ユウー!!」

ダリアとしっかり繋いでいた手も、風は無残に引き裂いた。


「絶対、探しに行くから!ダリア!」


風に声は消されたが、ダリアにはユウの言葉が伝わった。


ダリアはふわりと笑って見せたが、次の瞬間にはその姿を闇に消した。


「ユウ!ダリアー!」


そして、四人は、バラバラに闇の中へと姿を消した…。










――――――――――……











< 349 / 352 >

この作品をシェア

pagetop