優しい悪魔−マキコと和夫−

父親の怒鳴り声と誰かが殴られる音、母親の悲鳴が聞こえた。

秀一は、部屋のベッドの中にもぐり込んで、膝を抱え込んでいた。

まだ小学生だった秀一には、何が起きているのか分からない。
ただ、悲しいだけ。

何年か後、姉が妊娠していた事

相手が……“父親”らしい、という事を知った。

秀一にとって“家族”とは、重いモノになった。


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