狐と兎
それはカトラが龍を倒した時の事でした。その龍にも勿論家族がいました。

カトラがその龍を倒した事により、龍の家族は怒り狂いました。

そして家族達は決意をしたのです。カトラに同じような苦しみを与えようと。

家族達はカトラと同じ強い力を持つ彼の子孫が生まれた時、その子孫を呪い殺そうと決めました。

それから数十年後。カトラは何も知らないまま長を引退し、その座を別の若い人間に託しました。

同じ時期、カトラに孫が誕生しました。それがハルトです。

すると待っていましたと言わんばかりに龍達は動きだしました。

両親が出掛け、カトラとハルトが2人きり。カトラは外の空気を吸おうと家を出た時でした。

黒い龍達がカトラ目掛けて現れたのです。

カトラは迷う事なく持っていた剣を構えました。そして攻撃を仕掛けようとした次の瞬間。


「ハルトっ……!」


家が壊れる激しい音と共に同時に聞こえたのはハルトの泣き声。

傍には別の龍が立ちはだかっていました。

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