恋するレンズのむこう
つい3ヶ月前には梓がいたはずのベッドの上は空。


あけてある窓から入ってくる風がカーテンにかかる。


『え…』


病室には誰もいなかった。
静かな室内がますます不安を膨らませる。


「あ、有香!」


廊下の方から声が聞こえて、振り向く前にあたしの腕は誰かに引っ張られる。


『えっ!?』


すぐにわかった。
この手は、陸。


あたしのいとしい人の手。


こんな状況なのに…あたしの心臓はドキドキするのをやめない。


キューっと何かに心を絞られるような気持ちだった。


『陸っ、梓は?』


「梓はいま手術受けてるんだ!」


『手術?』


走ってたどり着いた場所、陸の手が離れた場所。


手術室の前。



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