恋するレンズのむこう
手術室には「使用中」のランプが静かについてる。


「いま、手術してる…」


手術…


「心臓の病気が急速に進んだんだ」


心臓、病気…


あたしの頭の中でその言葉たちがぐるんぐるん掻き回る。

まさか、こんな風になるなんて…


陸はあたしの前を通り過ぎ、手術室の前のイスに腰を下ろす。
一見、冷静に見えるけど彼の肩は小刻みに震えている。


そんな状況を見てると心がまたキューっとなった。
いてもたってもいられなくなったあたしは陸の隣に座り、陸の手をとる。


「え、有香…」


顔はうつむいたままだったけど陸は驚いていた。
それでもやっぱり震える肩。


『大丈夫…』


そう呟くと自然と陸の震えも少しおさまった気がする。


大丈夫、なんていってるあたしだって不安でどうしようもなかったのだけど。


それでも隣で悲しむ彼をどうにかして元気付けたかった。






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