メイド in LOVE


"……やるだろ?"


俺のその言葉に
リザは頷いた。



カイルは不服そうな顔を
しているが、俺が決めたことだ


納得するだろう。





しかし、なんだろう

この気持ちは。


彼女を助けたのは…
ただの気まぐれのつもりだった


あのような最悪な輩は
金さえ払えば、反抗しない。

俺は彼女を
助けられると知っていた。

だが、それを
"するか""しないか"
俺は選択出来た。


つまり、彼女を助けたのは
ただの気まぐれ。

それ以外に何もない。


たぶん…
先ほどまでいた
貧困層が住む地域など

俺はほとんど行かないから
あのような大胆な行動が
出来たんだろう。



だが、彼女を
助けたことに

俺は"喜び"を感じている。


面倒で疲れるはずだった"女"を
俺は助け、側に置きたくなった


驚くべき変化だ。



「リザ・ティナ」

仕事相手以外で
女の名前を覚えようとしなかった
俺がもぅ名前を覚えている。


彼女の瞳を
ずっと見つめていたい。


ただ、そう思う。


本当はメイドとして
働かさなくとも
側に居てくれれば良かった。


だが、あの時
彼女を縛る方法を
それ以外に知らなかったから
ああ言うしかなかった。



リザ

お前のことを
もっと知りたい。


こんな風に思うのは初めてなんだ


自分でも
よく分からないほど


俺はお前に
興味を持っている。



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