メイド in LOVE



突然、現れた男に
借金を肩代わりしてもらい
今からどこに行くか
分からないのだ。

普通は警戒するだろう。



「警戒するな。
お前の借金の肩代わりをしたが
別に心配しなくて良い。
今は俺の家に向かっているが
お前は家にちゃんと届ける。
お金も返さなくて良い。」


「…いえ、あの……
警戒してた訳じゃ無いんです。

私の周りにはあのような
男ばかりだったので
このように扱われたことが無くて
どのように反応すれば良いか
分からなくて…//」


少し頬を染める仕草が
愛らしい。
あのような男たちと
言い争っていたが
意外と純粋なようだ。


「あと、私に帰る家はありません
親に捨てられました。
借金だけを残されて…
貴方に肩代わりしてもらって
借金はどうにかなりましたが
これからどうすれば
良いのか………」

美しい表情が曇る。


その表情を俺の手で笑顔にしたい




「ならば、俺の元に来るか?」


「レオン様?!」


「俺の屋敷には
住み込みで働いている
メイドや執事がいるんだ。
ここにいるカイルもそうだ。

どうだ?
住む場所も仕事も生活費も
一気に手に入る。
魅力的だろう?」


「しかし、そこまで
世話してもらう訳には……」


「なら、俺が肩代わりした
借金を返すためだと思えば良い
その為に俺の側で働く
……やるだろ?」


俺はいつの間にか
リザを自分の側に
置きたいと思っていた。



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