メイド in LOVE




キーーーーン


「……………うぁ〜」


「マジで耳が痛ぇ……」


「…お前、叫ぶんじゃねぇよ!」





「叫ばなきゃ、貴方たち
私を捕まえてるでしょ?
そして誰かに売る、違う?」


「違わねぇよ」


「ねぇ、お願い。見逃して!
私が何をしたっていうのよ?
借金をしてたのは私の親よ
私には関係ないわ!」


私は必死に訴えた。
回りなんて気にせずに。


「いや関係あるんだよ、姉ちゃん
お前の親は借金のカタをお前に
かけてたんだ。
あいつらが居なくなった以上
お前が借金を返さなくちゃ
ならねぇ…
お前のその顔がありゃ
高い値で売れる。」


…………お父さん?!

私を借金のカタにしていたの?


絶望が目の前に広がっていく


一人の男が馴れ馴れしく
私に近寄りヴェールを奪い取った


私は顔を上げることが出来ない

一つの希望を失ったせいか。
最悪なこいつらに
私の顔を見せたくないからか。



分からないけど
もぅ叫ぶ気力も無かった。



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