メイド in LOVE



「どうした!?何があった?」


急いで車を降り
声がした方を振り返る



そこには、複数の男と
頭からヴェールを被った女性が
言い争いをしていた。



「お前、叫ぶんじゃねぇよ!」


「叫ばなきゃ、貴方たち
私を捕まえてるでしょ?
そして誰かに売る、違う?」


「違わねぇよ」


「ねぇ、お願い。見逃して!
私が何をしたっていうのよ?
借金をしてたのは私の親よ
私には関係ないわ!」


「いや関係あるんだよ、姉ちゃん
お前の親は借金のカタをお前に
かけてたんだ。
あいつらが居なくなった以上
お前が借金を返さなくちゃ
ならねぇ…
お前のその顔がありゃ
高い値で売れる。」


一人の男が馴れ馴れしく
女性に近寄りヴェールを奪い取る

女性はうつ向いてて
顔はよく見えない。


「良かったなー
借金とはすぐにおさらばだぜ?

まぁ、この世とも
おさらばかもしんねぇけどな」


がはは、と汚なく笑う男ども


気付けば俺は
そいつらに向かって
足を進めていた。


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