メイド in LOVE



「……………っ!」


自分が息を呑むのが分かった。


なんて美しい女なんだ。


艶のある黒髪
整った顔立ち
桃色の唇
長い睫毛
翡翠色の大きな瞳は
ずっと見つめていれば
吸い込まれてしまいそうだ。


今まで出会った女の中でも
群を抜いて一番。
これほど美しい女性は
今まで見たことが無い。


そう考えながら
しばらく惚けていると


「あの…先ほどは
助けていただき
ありがとうございました。」


女は小鳥のような
可愛らしい声でお礼を言った。


「いや…怪我などは無いか?」


「はい、大丈夫です。」


「名前を聞いても良いか?」


「リザです。リザ・ティナ」


「リザ…クロウ国の言葉で
"翡翠"という意味だな。
良い名前だ。

俺の名前はレオン
レオン・オドアケルだ」


挨拶のつもりで
手を差し出したが
リザは身体をビクッと震わせた。


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