メイド in LOVE


「リザは、大切な人を
次々と失っているんだな。」


窓の外を憂いに帯びた表情で
見つめているかと思うと
そう呟いた。

これだけの説明で
まず気付いたのは
一番核心を付いている部分だ。


「レオン様はリザの
大切な人になりたいですか?」


「………なりたいな。」


「ならば、リザにアプローチ
しなくてはなりません。」


「アプローチ?」


「これまで求めなくても
あちらから女性はやってきたはずですが
リザはレオン様を求める輩とは違います。

簡単に言えば
リザはレオン様を好きじゃないのです。」


「な!そうなのか?!」


「今までの女性の行動と
リザの行動を比較してみてください。」


「……………。」


「いかがですか?」


返事は聞かなくても分かる。

眉間に皺をよせて
つまらなそうな表情をしているから




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