雨×飴
「一人でシてる訳じゃ ないっしょ?」
「んな訳ないじゃん!!」
否定する声に力が入る。
階段の踊場は、余計に
声が響く。
あたしの焦った反応を見て
千石はさぞかし楽しそうに
微笑んでる。
千石は、
会話を自分のペースに持って行くのが
恐ろしく上手い。
「もしかして、相手はあのホスト?」
ホスト?悠クンのことかな…
まぁ確かに派手な髪色に
無駄に高そうな外車を
乗り回してる辺りからすれば
ホストに見えないこともない
ってかホストじゃないって
反論できる様な情報も
持ち合わせていないアタシは
返答に困った。
「ホスト…ではない……。」
「ホントに?」
「なんで疑うの。」
「いや?目ェ逸らしたから。」
