プラネタリウム ―流れ星に願う叶わぬ願い―
「私の誕生日知ってるでしょ?」
「うん。12月23日」



「私は施設である時からしばらく育っていた」

「いつから?って言いたくないんだよな」
「うん。今は言いたくない」
「ごめん。続けて」
「小学4年の時、養子として引き取ろうとした人がいた。だけど、お金だけを目的に養子として引き取ろうとする人がいるとニュースになっていたから、私名義になっているお金はすぐには渡せないって言うとその人は来なくなった」
「えっ…?」
「それが……私が経験した最初の裏切り」





ちなみにその人は数日後、詐欺容疑で逮捕されている。






音菜は子供心に深く傷ついていた。

施設にいる子供の多くは大人を信じてなどいない。それは年齢を重ねるほど強くなる。





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