プラネタリウム ―流れ星に願う叶わぬ願い―
会場に向かう度に出店の数や人の数は増えていく。



二人は自然と手を握っていた。


「何か食べる?」
「うん。何にしよっかなー」


フランクフルト、焼きそば、じゃがバタ、玉せん
様々な物がある。


「決まった?」
「うーんと、じゃがバタ」
「了解。おじさん、2つ頂戴」
「あいよ。バターは好きなだけつけな」


ホクホクのじゃがバタを食べながら、さらに出店を見ていた。



「音菜。金魚すくい得意?」
「どっちかっていうと苦手かな」
「じゃあ、やろう」
「苦手って言ってるのに……」


「おじさん、二人分」


勇二は音菜に網とお椀を渡した。





釣れたのは音菜は一匹、勇二は四匹。

「おじさん、五匹一つの袋に入れてくれない?」
「いいよ」



一つの袋にまとめた金魚達は静かに泳いでいる

「次はどこがいい?」
「えーと……」




音菜は一つのぬいぐるみに目を留めた。


「ん?射的?何か欲しいものあるのか?」
「あれ…」


音菜は静かに指を指した。


「そっか。やってみっか」
「うん」
「おじさん。二人分」

玉は五回分。








射的は……二人とも苦手だった。




だから当然。






一回も当たらない

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