プラネタリウム ―流れ星に願う叶わぬ願い―
「やっぱ、ダメだな」
「勇二って、射的だめなんだね」
「あぁ、アイツがいたらな…」
「アイツって?」
「幼なじみ」








勇二がそう発した後に、三つほど落ちる音がした。






本当に冗談だった。
だって偶然にも程がある。



振り向くと、見覚えのある人物がいた。

喜んでいる女と共にいる人物。







「久しぶりだな」



間違いなかった。
連だ。盛岡 連。


勇二の幼なじみ。

となると、隣にいるのは


「あれって、橘 優香か?」
「そうだよ。優香ー」
「あれっ?久しぶりじゃん。勇二」



三人は中学までいつも一緒だった。
中学一年の春。連と優香は付き合い始めた。
それでも三人でいることが減ることもなく、いつも一緒だった。




「あれ、勇二の彼女?」
「違うよ。音菜」

勇二は手招きしている。



「何?」
「俺の幼なじみの」
「盛岡 連」
「橘 優香」
「俺の友達の」
「水沢 音菜」


「「よろしくね」な」
「よろしく」
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