この手で紡ぐ神の欠片
「――やがてね、」
詠人は目を伏せた。
「冬から冬へと続く、フィムブルの冬」
不思議な響きだったが、
小さく呟くと私の体に溶けて馴染んだ。
「一年目は風の冬、二年目は剣の冬、三年目はオオカミの冬」
終わらない、冬。
今は丁度冬だ。
私の背筋に一瞬寒気が走った。
「ニワトリが鳴いて、ラグナロクを知らせます」
神々の黄昏、
世界の終焉、
ラグナロク。
「ま、戦いが起きるわけだよ」
説明が面倒臭くなったのか
ざっくりと詠人が言った。
「んまぁなんかあって、火が地上に投げられて全てが焼き滅ぼされたのさっ」
「楽しそうに言うなぁ!」
最後の言葉だけ
いやに明るく詠人が言うので
私は蹴りを入れた。
「なんか投げやりな説明をありがとう」
「うわ、感謝感じられないよ」
ヘラリと詠人が笑う。