この手で紡ぐ神の欠片



「んー告白されたからねぇ、理科室で」

飄々と詠人が言う。

「理科室かよ!屋上じゃなくて!?」

「寒いじゃん屋上。理科室に呼び出されたら菜生がいて」

「そうですか…」

呆れたのか否か脱力してしまった。

「まぁ自分には珠輝がいるし」

「よく言うよ」

誰にでも言うくせに、と
私は皮肉を言った。

「言わなきゃやってられない」

詠人が私に身を寄せた。

「形だけのふわふわした言葉は、上手く隠してくれて――」

珍しく、悲しそうな、表情。

「――楽なんだよ」

それは、本音か。

形だけのふわふわした言葉では、ないのか。

「よくわからないかも」

私は正直にそう言う。

「そうだろうね」

詠人は曖昧に笑う。



< 184 / 268 >

この作品をシェア

pagetop