紅い月
「ありがとう。」



そう言って笑ってみる。




自分でも分からないけれど自然に笑顔が零れた。




此処に来てやっと本当の自分を取り戻す事ができた。




きっと新撰組のみんなのお陰だ・・・。




ぎゅっ




近藤さんに抱き締められた。




「凛・・・」




近藤はそう言うともっと力強く私の身体を抱き締める。




「近藤さん、本当にありがとう・・・。」





そう言うと慣れない手でそっと近藤さんの身体に自ら抱きついた。




いつぶりだろう・・・こんな風に優しく抱き締めて貰ったのは・・・




本当はずっと、ずっと誰かに優しく抱き締めて欲しかったんだ。




















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