紅い月
山崎はそう言うとぐいっとサジをもっと近づける。



「・・・」




仕方ない・・・。




ぱく・・・



サジに乗った粥を食べる。



山崎はそれに満足し、またサジに粥を乗せ、口元まで持って来る。




「何や?もう食えへんか?」



「あぁ・・・すまん・・・。」



結局二口程しか食べる事ができなかった。



「白湯薬や。飲めるか?」



「ん・・・」



山崎の手から白湯と薬包紙に包まれた薬を受け取りさっさと飲む。



「ほんなら俺は仕事行ってくるさかい。ちゃんと寝とくんやぞ。」




山崎はそう言うと部屋を出て行った。




「ごほっごほっ・・・」


パタンと布団に倒れそのまま意識を失った。








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