紅い月
「次は背中を見せてくれるかな。」




「はい。」




翌日、早速土方が手配した医師が凛の診察を行う。




医師の名は松本 良順(まつもと りょうじゅん)西洋医学者だ。



「ゆっくり息を吸って・・・はいはいて・・・ん、もういいよ。」




良順はそう言うと紙に筆を走らせ何かを書いている。



「私は労咳なんだろう?」



着物を直した凛がそう言って良順をジッと見つめる。



「・・・えぇ。けれどしっかりと静養していればよくなりますよ。」



良順は優しく微笑み凛を見つめ返す。




「私は一体いつまで持つ?」




「それは貴方次第ですよ。それじゃあまた七日後に来ますから、あっ!!薬は山崎くんに渡しておくからしっかりと飲むんだよ。」




良順はそう言うと部屋を出て次の患者の許へ歩いていった。



凛はゆっくりと立ち上がり庭に出る。



「けほっ・・・暑いな・・・。」




「凛さん、どうしたんです?こんな所で・・・」








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