紅い月
「いや、気にしないでくれ。松原君の容態はどうなんだい?」




布団に横たわる松原に近藤は視線を移す。




「肋骨が何本か折れているらしいけど後は打撲程度だそうです。」




「そうかい・・・。凛くんちょっといいかい?」




「・・・はい」




近藤に呼ばれ部屋を出るとそこには土方の姿があった。




「副長・・・」



「あいつ等は切腹だ。隊規に違反したからな。」




「そうですか。」




「それでだ、お前があいつ等の介錯をやれ。」





土方はそう言うと凛の瞳を見据える。





一瞬、ほんの一瞬凛の瞳が揺らいだ。




「はい。」




けれどそれはすぐにいつもの鋭い瞳に戻っていた。











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