紅い月
「そう・・・ですか・・・八木さんはここを離れないのですか?」




「そんな事しまへんよ。だって新撰組のみなさん頑張っとります。絶対に大丈夫や。」





そういった雅さんの瞳はまるで自分のことでも自慢するかのように輝いていた。




「あっ!そや、山内はんちいと頼まれてくれへんか?」





雅さんはそう言うと台所の方に言ってしまった。




「これを新撰組のみなさんの所まで持って言ってほしいんや。」




そう言って雅さんが手渡したのは大きなお弁当だ。





「これは・・・?」




「握り飯どす。」




「はぁ・・・でも私は・・・。」





新撰組から勝手に姿を消した身。易々とあそこには戻れない。
















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