紅い月
「・・・すいません。」




一瞬何があったのか理解するのに時間が掛かり返事が遅れる。




「何があったんですか?」




そう言われチラッと二条大橋に視線を移すと吉田の姿はもう既にそこから消えていた。





「いえ・・・すいません。知り合いに似た人がいたので・・・」



そう言って軽く頭を下げる。





「・・・そうですか。」





沖田はそれだけ言うと先頭を切って帰路を歩いていた。





一瞬の間・・・・きっと沖田さんは信じていないだろう。








まぁいいか・・・。








それにしても・・・あの男は一体、何故父様と母様を殺したんだ?








そんな事を思いながら列の最後尾を歩く。















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