魔女のカウントダウン☆

『うん、おやすみ』

あたしは、背もたれに寄りかかった。
その時

『ねえ、める…』

歩夢のかすれた、囁くような声が聞こえた。

『何?』

あたしは、また 身を乗り出し歩夢に訊く
歩夢は、少しの沈黙の後 こう言った。

『実はさ、めるには 悪いんだけど、わたしは また 今年も 4人一緒にカウントダウン出来て 嬉しいんだよね』

『歩夢…』

『だってさ、ずっと 一緒に 年末 過ごして来たのに誰か1人欠けるなんて、ほら、何となく 寂しいじゃん!』

歩夢の言葉に、(確かに言う通りだ…) そう思った。

だって、あたし達 4人は 高校を卒業して以来、ずっと 年末は スキー場で過ごしてきたから・・・

『嫌な事ゎさ、みんな 忘れて、明日は思いっきり遊ぼうよ!! ね、める!』

『うん、解ってる!!』

あたしは、歩夢に そう答えると また シートに寄りかかった。

寄りかかりながら、窓の外を見た。

解っているのに、情けないあたしの目頭は、また 熱くなる…。

もうこれ以上、考えても 悩んでも、しょうがない!!
あたしは、頭に浮かんだ 文人の憎らしい笑顔を無理矢理かき消すと、静かに 瞼を閉じた。

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