魔女のカウントダウン☆

その時、突然彼女が、また泣きだした。

泣きながら、彼女はこう言ったんだ。

『電話で、幸ちゃんは、反省したって、もう…絶対に雅以外の女を見たりしないって、けっ…結婚してくれって、そう言ったんだよ!』


雅…彼女の名前?

いえ…そんな事思ってる場合じゃない。

『けっ、結婚!?』

叫んだあたしに、彼女はコクリと頷く。

瞬間、目の前が真っ白になった。

だけど…その後、そうか…と勝手に思考が納得を始める。

幸也は今日、彼女がここに来る事を知っていたのだ。

で、自分は修羅場を回避するために、帰宅時間をわざと遅らせて、あたしと彼女を会わせる。

自分には彼女が居て、結婚まで考えていると、無言のまま、あたしに教えているのだ。

つまり、今日で幸也はあたしと別れるつもりだったんだ。


・・・やっぱり、あの志賀高原での事は、ただの遊び…。

あたしをからかって、楽しんでたんだ!!


『…そう、解ったよ。よーく解った!! 雅さんって言ったけ、彼が帰って来たら伝えて… 』

あたしは、ガタガタと震える足に激を飛ばしながら立ち上がる。
彼女が訊いた。
『えっ、何て?』

< 237 / 302 >

この作品をシェア

pagetop