魔女のカウントダウン☆

『この前の時に、あたし、とうとう切れちゃって、幸ちゃんにさよならしたの…そしたら、昨日の夜…幸ちゃんから電話があって…』


幸也から昨日…電話?

あたしは、昨日の自分と幸也を思い出した。

昨日の夜は確か…

幸也が、夕食を作ってくれて、2人で食べたんだ。

幸也の作った肉じゃがが美味しくて、かなり感動したあたしは

『明日は、あたしの腕前を披露するね!』

って言ったの…

そしたら彼は、笑いながら
『食べられるもの宜しく!』

・・・て言ったのよ。

だから、あたしは悔しくて…

『料理は、得意なんだからね!』

って、嘘をついた。

本当は、母親に任せっきりで、キッチンにさえめったに立った事が無かったのに…。

だから、昨日の夜 幸也と別れてから猛特訓したの…。

なのに…その時、幸也はこの女に電話してたって言うの?


あたしは、彼女の横顔を眺めながら、悔しさで唇を噛み締めた。


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