魔女のカウントダウン☆
段々とくもり始める窓硝子
あたしは、愛しい男の名前を くもり硝子に書いて、すぐにかき消した。
その瞬間に また 視界が歪み出す。
その時
『んもう、めるったら、また、彼氏の事考えてるの?』隣に座る美紀が、あたしの顔を覗き込んだ。
『・・・・・』
あたしは、何も答える事が出来ずに、窓に視線を向けたまま、うつ向く
助手席の加奈が、後ろを振り返った。
『また、めそめそしてえ〜このスキー旅行の最中だけは、忘れるって約束したでしょ?』
『わっ、解ってるけど・・』
あたしは、そう言うと一瞬だけ、加奈を見て、 また、下を向いた。
加奈が『ほい!』と言ってポッキーを差し出す。 あたしは、そのポッキーを受け取ったけど、食べずに、美紀に渡した。
『こりゃあ、重症だわ』
渡したポッキーを食べながら、美紀が、呆れたように呟いた。