ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
「へへへ、俺、いいこと思いついちゃった。」
うれしそうな大和の表情。
「いいこと?」
「ああ、このバイクで行けばいいじゃん!」
龍一にそう言うと、バイクを発進させ、走り出す大和。
「あっ、大和!」
龍一が止めるのも遅く、大和は、バイクで走っていってしまう。
大和の乗ったバイクが、通りの向こうに消えていき、そして、しばらくして、戻ってきた。
元あった位置にバイクを戻す大和。
バイクを降り、龍一の前に来て、一言、
「寒いわ!!!」
大和の絶叫。
「・・・当たり前でしょう、大和。バイクでは、着く前に凍え死んでしまいますよ。」
日本でも冬のバイクは、とても乗れたものではないが、ここロシアは、そんな日本の冬など比べものにならないくらい寒い。