探偵学園Q
「…は?」




──イマナンテイッタ…?




「どうした?天草君」

「え、いや…」



ユイの父親。
たしかあいつはあの時、

─あたしのパパが殺されたのだってあんたのせいなんだってね!─

殺された、と言った。


その事について冥王星が絡んでいるのは明白だけど、もしかして団先生にも関係がある…?



「…さ君。天草君」

「は、はい」



ハッと我に返って団先生を見ると、団先生が緊迫した表情で僕の目をしっかりと見ながら口を開いた。



「今からの質問に明確な返事をして欲しい」

「…はい」



少し団先生の目が細くなる。




──ドクン


「…山内優衣は冥王星の人間だね?」

「…っ…!」



嫌な汗が背中を伝った。



「その表情は肯定、と捉えてもいいのかな?」



いつから気づいてた?

ドクドクと血液が体中を巡る。

団先生はどこまで知っているんだろうか。
ユイが来なくなったのは、僕にバレてからだということにも気づいているんだろうか。



「…君と山内君は仲が良かったらしいから」



そっと団先生の呟いた言葉がずっしりと心に重くのしかかる。



「仲良くなんかありませんでしたよ」



自分でも驚くほど冷たい声が出た。

これ以上ここにいたくない。



「これは受け取ってはもらえないんですね」



差し出したDDS手帳をもう一度自分の手中に収めると、団先生に一礼してから足の向きを変えた。





「天草君」



部屋のドアに手を掛けようとするとそれを団先生に止められる。

ふと後ろを振り替えると、キラリと団先生の頬に涙が伝っているように見えて、心臓が強く締め付けられた。



「…なんでしょうか」

「…私は君に深くを追求するつもりはない。でも、私はある親友を信じてあげることができなかった…。

そのことをね。毎日のように後悔している」
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