さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 木下さんは部屋を出て行った。

 あたしはなんとなく、木下さんのことが気になっていた。

 彼女の過去とかが。でも、そういったことを探るのはできなかった。

 あたしは考えた末、千春に電話をし、木下さんが出ていたというドラマを送ってもらった。彼女は綺麗だった。主役の子よりも輝いていたと思う。

 演技も上手だった。それでも彼女は辞めたのだ。

 やりたいとか、好きとか、演技が上手とか、そんなことよりも大事なことがあるのかもしれない。あたしはそこまで捨て身になれるのか。

 そう言われてもその答えは分からなかった。
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