さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 お母さんとはほとんど電話もしていない。彼女から無理にかけてこなくてもいいと言われたからだ。

 お母さんなりにあたしに気を使ってくれていたのだと思うけど。

 あたしたちはシンプルなシャツを数枚買うことにした。

 結局彼女の好みは分からなかったので、無難な線を選んだのだ。

「そしたらこれ、渡してこようか?」

「いいよ。宅急便で送るつもりだからね」

 あたしたちはそのまま宅急便を取り扱っているお店に行き、お母さん宛の洋服を送ってもらった。

 まだ時刻は十一時を回ったばかりだった。

 監督が戻ってくる夕方の六時までにはかなり時間がある。

「どこで時間潰す?」

 そんなあたしの目の前に入ってきたのはゲームセンターのガラス扉超しに見えるユーフォーキャッチャーだった。


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