ビターチョコレート
「あんたが何と言おうと俺はあんた何か知らねぇつってんだろ。あんたマジうざい。もう二度と来んな。」
でもそれは叶わなくて……。
そう言い切ると俊ちゃんはあたしの横を通り過ぎていく。
最後の言葉は凄くドスがきいていて顔も見ていないのにその声だけで背筋が凍り付くほど怖かった。
…あかん……挫けそう…。
でもここで挫けたらホンマに終わってまう…。
俊ちゃんとの繋がりが何もなくなってまう…。
それだけは絶対嫌や…!!
そう思ったら口が勝手に動いていた。
「…嫌や!あたし来るもん!!俊ちゃんがあたしのこと思い出してくれるまでずっと来るもん…!!」
俊ちゃんは何も言わずに家の中へ入って行った。
…もういいや……。
ホンマは頑張って俊ちゃんと付き合いたかったけど、もういい……。
俊ちゃんがあたしのこと思い出してくれればそれでいい。
ずっとこのまま何か絶対に嫌やもん!!
あたしはそう決意して家に帰って行った。
「ねぇ、誰あの子?」
「さぁ〜?てかあれうちの学校の制服だよね?」
「あたし知ってる!あの子うちの学校の新入生だよ!!入学式のとき見たもん!!」
「「マジで!?」」
「マジマジ!!」
「それにしてもさぁ、俊也に対して馴れ馴れしすぎじゃない?」
「俊也嫌がってんのわかんないのかね〜!」
「かなりうざいんだけど!!」
「「確かに〜。」」
「もういつものいっちゃう!?」
「…ん〜……まだ様子見じゃない?」
そんな会話を物陰でしているなんて露知らず、これからあたしの身にあんなことが降りかかるなんて今のあたしには知るよしもなかった。