姪は叔父さんに恋してる


「……叔父さん、脚、痛む?」

「少しだけ。」

「……………。」

これは気を遣ったと捉えるべき?
遣っていないと捉えるべき?


鎖骨ならともかく、叔父さんの場合は両脚を負傷してるんだ。
ちょっとの痛みで済む筈ない。だから心配させまいと少しの痛みだと言ったのか、それとも、


痛まないとは言わず、素直に痛むことを伝えたのか。


どちらの意味だとしても私の心は抉られる。



一人下を向いて罪悪感に苛まれていると、叔父さんは私の手をそっと握ってきた。

「…………。」

内心凄く嬉しくて、何事かと叔父さんの手を包み込んで訊き返す。


「八智絵、この怪我に罪悪感を抱いているならそれは間違いだ。」

「え………?」


何を言い出すの叔父さん?
だってその骨折の原因は私が…。


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