姪は叔父さんに恋してる
「八智絵にこう言ったのを覚えてるか?
“八智絵が俺の傍にいることを望むなら、俺は全力で八智絵を護る”と言ったこと…。」
覚えてるよ。
忘れる筈がない。
どれだけ嬉しかったことか。
私は力強く頷いた。
すると突然、叔父さんは私の手を誘導して、自身の脚に触れさせた。
その拍子に、叔父さんの表情が苦痛に歪む。
「っ…………!」
「や、何するの叔父さんっ!?」
驚いて手を離そうとするけど、叔父さんの手が押さえ付けているからそれは叶わなかった。
「…叔父さんはやっとひとつ、八智絵を護ることが出来たんだ。」
苦痛を伴っている筈なのに、叔父さんはどこか幸せそうに語る。
怪我をしたことより、死にかけたことより、私を護れたという事実だけが重要だと言うように。