姪は叔父さんに恋してる
「安心して、八智絵。話は済んだ。私と智之はこれで失礼するから、叔父さんにそれ切ってあげて。」
袋から僅かに見える林檎を指差しながら華実先輩は言う。
でも表情は浮かないまま。
「……華実先輩、何の話、してたの?」
「え?」
端から聞けば、「私を差し置いて叔父さんと何を楽しく話したの?」と捉えられるかもしれない問い。
でも真意は違う。
いつも凛々しい華実先輩が今日はどこか違う。
私に思い当たるのは、病室での叔父さんとの会話。
「何かつらい話をしたの?」の意味を込めた問いだった。
華実先輩は驚いた顔をしてから…柔らかく微笑み、
「心配してくれるのかい?」
「そりゃあ……。」
先輩のことも、大事だもの。
今まで、私の叔父さんへの想いを誰よりも理解してくれた。
確かに嫉妬したりしたけど、やっぱり華実先輩も大切だ。