姪は叔父さんに恋してる
「来れるよ。
叔父さんに会えるんだもの。」
別れは一時の間だけ。
明日になればまた叔父さんに会える。
それを思うから、私は今まさに倒れそうな心境なのに、立っていられるんだよ。
叔父さんは笑い飛ばしはしなかった。
代わりに、私を強く抱きしめ返して、そして語る。
「退院出来たら、八智絵。俺の家においで。
K高に行くならそのほうが近くて良いし…、毎日、一緒にいられる。」
願っても無い幸運、とは、まさにこのことなんじゃないだろうか。
叔父さんがそんなことを言ってくれるなんて。
嬉しい…。
私は抱きしめた際触れた叔父さんの頬に軽くキスをした。
それからすぐに体を離し、放置されていた林檎とナイフを手に取る。
「姉さん達を待たせているのに、いいのかい?」
「ちょっとだけ。約束だから。」