白兎物語
混乱
ウサ美たちはガゼットを倒すべく狼族の住む洞窟のすぐ近くまで来ていた。

セシル「あなた達が脱走したのを知ったガゼットは必ず軍を率いて探しに出てきます。ガゼットは最後に出てくるはずなので、私達はここで待機して軍の後ろに回り込み直接ガゼットを狙い討ちましょう。」

ウサ美たちはセシルに言われた通りに岩影に潜みガゼットが出て来るのを待つ事にした。

ウサ吉「戦力的には相当不利な状況です。みなさん一致団結してガゼットを倒しましょう。」

ウサ吉がみんなに声をかける。

ウサ美「ガゼットなんかボコボコにしてやる!」

赤ウサJr.「まかせときな、俺の攻撃魔法をお見舞いしてやるぜ!」

バジャール「一族の積年の恨みを思い知らせてやる!」

ラビィ「まあ見てて、助けられた借りは必ず返すわよ。」

戦いの時が近づき、それぞれ気合いが入っているようだ。

ウサ美「ん?誰か足りないような?……………………あ〜!ウサ太郎がいない!」

皆で辺りを見渡したが、ウサ太郎の姿はどこにもなかった。

赤ウサJr.「野郎、逃げやがったな!」

ラビィ「いつの間に…存在感が無いからわからなかったわ。」

ウサ吉「そんな…。何かの理由で姿を隠してるだけかも…」

バジャール「ここに来る途中、奴が預かってくれると言ったので水や食料の入ったオレの荷物を預けたんだが…それも持っていかれたようだ。」

ウサ美「じゃあやっぱり完全に逃げたな、今度見つけたらただじゃおかないぞ〜!」

ウサ太郎の逃亡によりせっかくの団結ムードに水をさされた一同だったが戦いの時が近くにつれ徐々に緊張した空気につつまれていった。

セシル「あっ皆さん!そろそろ出てきたみたいです。」
< 74 / 121 >

この作品をシェア

pagetop