先生の青



私の言葉に
先生は少し困った顔をして



「オレの事?
……うーん、例えば?」


「誕生日」


「ああ、3月18日」


「血液型は?」


「A」


「えーっ!?」


「なにそれ、ギャグか?」


「違うよ、A型って几帳面な真面目な性格って思ってたから」


「イチ、地味に失礼だぞ」


先生が横目でにらむから
おかしくて笑った



「……じゃ、先生の家族は?」


「家族?フツーに両親と兄だよ
あれ?10こ上の兄がいるって
言わなかったか?オレ」



「先生に救急箱くれたお母さんって今のお母さん?それとも……」


前に先生が
男子生徒に
集団で襲われた時、

ここで手当てして
常備薬が揃った救急箱に
感心してる私に言ったんだ


『救急箱はおふくろがくれた』って



先生はやっと話が見えたようで



「……なんでイチがそんな」


戸惑うように言いながら
急にハッとして



「カナか?
イチ、お前
カナと何か話したのか?」



「ねぇ、先生
あの救急箱くれた人は?」



深いため息をついて
先生は目を伏せた



「血の繋がった実の母だよ
離婚して家を出たのは
オレが小1の時


だけどフツーに連絡はとってる

救急箱は
就職で一人暮らしする時に
鍋やなんかと一緒に送ってきた」




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