戦国ライフ-もうひとつの空-
真夜中…
私は眠りにつく事が出来ず、何度も寝返りをうった末、そっと身を起き上がらせた。
二人はぐっすりと眠っているようで…
寝返りもうたず、ただすやすやと規則正しい寝息をたてているだけだった。
"時様"と呼ばれていた男は、私の事を警戒している様子だった。
ああ言ったものの、気持ちがついてこないのだろう。
彼の提案で、この部屋で三人で眠る事になったのだ。
確かに…記憶がないだけに、あの男の言う事が正しくないとは正直言いきれない。
私自身、一体自分は何者なのか全くわからないのだから。
むしろ私が教えて欲しいくらいだ。
もしかしたら、
私は彼らが敵対する国の人間かも知れない。
だから、きっと彼は私の真意を探ろうとしていたのだろう。
いろんな事が頭の中に渦巻く。
私はそんな頭を冷ましたくて、二人を起こさない様に、ひっそりと外へ出た。