戦国ライフ-もうひとつの空-


借りた男物の大きな寝巻きをしっかりと握り締め、空を見上げる。


半分欠けたお月さまが、静かに私を照らした。


冷たい風が微かに髪を揺らすと、
私は思わず身体を抱き締めた。



あのお月さまなら、きっと昨日までの私を知っているのだろうか。




私は何者で…

一体何処へ向かえばいいのでしょう。



『橋で身を投げたのだぞ!?』


急にあの言葉が頭をよぎった。


身を投げたってどういう事?


私、死のうとしたの?


もし…そうだとしたら…


それが本当ならば…


「これで良かったのかな…」


思わずポツリと、呟いた。
私は見事に全てを忘れて、今をこうして生きている。


このまま、新しい人間として暮らしていく方が、私は幸せなのかもしれない…。



自分の正体を知りたい。

でも知らない方がいいのかもしれない。

私はそんな気持ちに苛(サイナ)まれ…
頭を抱えしゃがみ込んだ。




???)「何をしている?」




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