【短編】鐘の音が聞こえる
想い出す。
彼との思い出。



バイクの後ろに乗った時の大きな背中
握ってくれた暖かい手
いつでも優しい目と
私を包んでくれた広い心…



どれも失いたくない
私だけの宝物


心にしまっておくだけで
あなたは私の心の中で生きられるの?






生きている人間は、死ぬまで生きなくてはならない。
それは運命
変えることはできない。



進まなくてはならない。
何が起きても、生きている限り後戻りなどないのだ。



その悲しみのすべてを2年前の私は受け入れることができず、記憶をなくした。



だから、今こうして健が現れた。



もう、これは私が幸せになるための最後のチャンスなの…?







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